“月額地獄”を残さない!生前にできるサブスク整理のスマート終活術

動画配信サービスや定額制ネットサービスなど、さまざまなサブスクが普及した現在、複数のサブスクを契約している方も多いでしょう。サブスクは便利に楽しめる反面、契約者本人が亡くなると「他人には解約が難しい」というデメリットがあります。今回は、契約者が亡くなった場合のサブスクの契約状況や、生前に準備しておくべきポイントについて解説します。

 

年齢に関係なくサブスクリプション契約者が増加

定額料金を支払うことでサービスを利用できるサブスクは、かつて若い世代が中心でしたが、コロナ禍をきっかけに中高年世代の利用者も増えています。最近では、70代の方でも動画配信サービスを契約している例が珍しくなく、大人世代にもサブスクは身近な存在になりました。しかし、契約者が亡くなった後の契約状況を把握しておかないと、遺族に負担をかける可能性があります。サブスクを契約している方は、万が一に備えて必要な対応を理解しておくことが大切です。

 

サブスクはIT分野以外にも様々な形態

サブスクというと、動画配信や音楽配信などのITサービスを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし最近では、サブスクのサービス内容は非常に幅広くなっています。たとえば、月額制で飲食店の特定メニューが食べ放題になるものや、契約期間中に好きな車をレンタル・試乗できるものなど、さまざまな分野にサブスクが広がっています。こうした多様化により、今後も年代を問わず利用者が増えていくと考えられます。

 

契約者が生前に行っておくべきこと

サブスクは契約者本人が亡くなっても、自動的に解約されることはありません。必ず解約の手続きを行う必要があります。しかし、いつ何が起こるか予測できない中で、事前に解約しておくのは現実的ではないでしょう。とはいえ、サブスク契約者自身が自分に万が一のことがあった場合に備えて、あらかじめ準備できることもいくつかあります。

 

エンディングノートなどに書き留めておく

比較的手軽にできる対策として有効なのが、エンディングノートや手帳などに契約中のサブスク情報をまとめておくことです。突然の事態が起きても、遺族がスムーズに解約手続きを進められるように、契約内容や連絡先、ID・パスワードなどを整理しておきましょう。特に最近のサブスクは契約書などの紙媒体がないケースも多く、遺族が契約自体に気づけないこともあります。本人がわかりやすくまとめておくことが、大切な配慮になります。

 

アカウントを家族に共有する

一つのアカウントを家族で共有できるタイプのサブスクなら、自分のアカウントを家族とシェアしておくのも良い方法です。動画配信や音楽配信、フォトアルバムなどを共有しておけば、家族が契約状況を把握しやすくなり、いざというときに解約手続きもしやすくなります。ただし、サービスによっては共有が禁止されていたり、同時利用できる人数に制限があったりするため、必ず利用規約を確認しましょう。

 

利用していないサービスは解約する

複数のサブスクを契約していると、使わないまま契約が続いているサービスが意外と多いものです。家族が解約で困らないように、不要なサービスは生前のうちに解約しておきましょう。特にサブスクの数が多い人や、手続きが面倒なサービスを契約している場合は、解約作業が遺族の負担になりやすいです。契約状況を把握している本人が整理しておくことで、家族の負担を大きく減らせます。

 

    • エンディングノートなどに書き留めておく
      契約中のサブスク情報を整理し、ID・パスワードなどもまとめておくことで遺族が解約手続きをしやすくなります。
    • アカウントを家族に共有する
      家族とアカウントをシェアしておけば、契約状況を把握しやすく、解約もスムーズ。利用規約は必ず確認しましょう。
  • 利用していないサービスは解約する
    不要なサブスクは生前に整理して解約しておくことで、家族の負担を減らせます。

 

契約破棄も視野に

万が一、契約者本人が解約手続きをしないまま亡くなり、遺族も契約状況を把握できない場合には、「契約破棄」という選択肢があります。支払いが滞ったり、引き落とし先の故人名義の口座が停止されると、サービス提供会社から契約が自動的に破棄されます。家族が解約手続きをしなくても済む点はありますが、契約破棄までに時間がかかることが多く、延滞金が発生したり、写真など大切なデータを失うリスクもあります。契約破棄はあくまで最終手段と考え、可能な限り本人や家族で解約手続きを進めることをおすすめします。

 

まとめ

サブスクは今や生活に欠かせないサービスですが、契約者に万が一のことがあった際、解約作業が遺族の負担になるケースもあります。今回ご紹介したように、事前にできる対策を済ませておくことで、家族の負担を軽くし、安心して利用を続けられる環境を整えておくことが大切です。