遺された支払い、どう片づける?家賃・光熱費・カードの手続き全部見せます!

ガスや水道などの光熱費やクレジットカードなど、生活を送るうえで必要なさまざまな契約は、契約者本人が亡くなると遺族がその対応に追われることになります。どのような手続きが必要かを正しく把握していなければ、スムーズに手続きを進めることができません。

場合によっては金銭トラブルに発展する恐れもあるため、正しい知識を身につけておくことが大切です。今回は、故人の各種契約に関する正しい手続き方法や精算方法についてご紹介します。

 

放置は危険!手続きしなければ契約は自動で引き継がれる

契約していたサービスや支払い義務は、手続きを行わずに放置していると、そのまま子どもや配偶者などの相続人に引き継がれてしまうため注意が必要です。相続というと現金や不動産などプラスの財産を思い浮かべがちですが、実際には借金や各種契約上の義務も相続されます。

そのため、「契約を引き継ぎたくない」「不要な支払いを避けたい」と思う場合には、必ず解約や名義変更などの手続きを行うことが重要です。

 

借主が急に亡くなったら?家賃・契約・遺品整理まで

お金や物、不動産などを故人が借りていた場合、その「借りる権利」は相続人に引き継がれます。契約を引き継いだ相続人は、故人と同じように利用を続けることができますが、利用しない場合は早めに解約手続きを行わないと、使っていなくても利用料金を支払い続けることになってしまいます。不要であれば速やかに解約しましょう。

賃貸物件を解約する際は、家財道具をすぐに移動させることをおすすめします。処分してしまうと「相続した」と判断されて相続放棄ができなくなる可能性がありますが、移動するだけであれば問題ありません。手放したくない家財は、自宅などに運んで保管しておきましょう。

また、未払い家賃がある場合に故人の財産から支払ってしまうと、相続放棄をしない意思表示とみなされる恐れがあります。やむを得ず支払う場合は、相続人自身のお金で対応するようにしましょう。

 

賃貸契約、公共料金、クレジットカードの手続きに関すること

故人が契約していたガスや電気、水道などのライフライン契約は、死亡後もそのまま継続されてしまいます。不要な場合は、相続人が解約手続きを行わないと利用していないのに料金を支払うことになってしまうため注意が必要です。解約せず引き継ぐ場合には、契約会社や水道局などへ連絡して名義変更の手続きを行いましょう。

また、クレジットカードについても契約者本人が亡くなった後、相続人が会員資格を引き継ぐことはできますが、年会費などの固定費も引き継ぐことになります。不要であれば、生前に契約していたクレジットカード会社へ連絡して、速やかに解約手続きを済ませるようにしましょう。

 

契約者や賃貸人が亡くなった場合の手続きに関する注意事項

賃貸契約者や賃貸人であった故人が亡くなった場合、相続や契約手続きに関して不安があるときは、弁護士に相談することをおすすめします。特に、債権回収、相続人間でのトラブル、相続放棄などの複雑な手続きについては、相続問題に精通した専門家に依頼する方が安心です。

手続きに不備があるとやり直しが必要になり、完了までに時間がかかるだけでなく、相続人同士や契約相手とのトラブルに発展した場合には、誤った対応をしてしまうと大きな問題に発展しかねません。無理に自分だけで対応しようとせず、必要に応じて早めに専門家へ相談しましょう。

おわりに

今回は、故人が契約していた賃貸借契約やガス・電気・水道、クレジットカードの相続に関する手続きについて解説しました。契約者が亡くなると、遺族は多くの対応に追われ、何から手を付けていいか分からず戸惑ってしまいがちです。慌てずに、必要な手続きの流れを把握して順を追って進めていくことが大切です。家族や大切な人が亡くなった際には、今回の内容を参考にして、落ち着いて必要な手続きを行いましょう。