遺影の処分ってどうしたらいいの?タイミングや費用について

遺影の処分方法やその時期については、具体的な取り扱いが分かりにくいという声をよく耳にします。

故人を偲ぶために用いられる遺影ですが、一定の期間が過ぎれば、処分することに抵抗を感じなくなる場合もあります。遺影は葬儀の際に故人の姿を飾るためのものであり、多くの場合、葬儀後に自宅の祭壇などに後飾りとして一定期間保管されます。

遺影処分のタイミング

一般的には、四十九日の法要が終わった後が、遺影を処分する基本的なタイミングとされています。四十九日は、納骨までの期間に故人を偲び、追悼するための大切な期間であり、この期間が過ぎると自然な流れとして後飾りを外すことが一般的です。

その後、遺影を処分するか、別の場所に移して飾るかといった形をとることが多いのですが、宗派や家族の考え方によっては、初盆やその後の法事の際にも遺影を祭壇に飾り続けるケースが見受けられます。

また、住居の移転や結婚など、生活環境の大きな変化があった際に、遺影の整理を行うことも一般的です。さらに、故人の遺品整理の一環として遺影の処分を実施する場合もあります。

いずれの場合も、処分方法やかかる費用については事前に家族で十分に話し合い、納得のいく形で進めることが大切です。これにより、故人への敬意を守りながらも、遺族が心機一転して新たな生活を始めるための一助となるでしょう。

 

遺影の処分方法とその流れ

遺影をどのように処分するかについては、いくつかの選択肢がございます。故人を偲ぶための大切な品であると同時に、一定の時期を経た後は処分することが可能です。ここでは、処分方法として代表的な5つの方法と、それぞれの費用感や手順についてご説明いたします。

お寺や神社へ依頼

まず、お寺や神社に依頼する方法があります。馴染みのあるお寺や神社であれば、供養から処分まで一括してお任せできるのが大きなメリットです。

一般的には、お焚き上げによって遺影を処分し、その際に供養証明書やお守りを受け取ることができます。

費用はお寺や神社ごとに設定されており、概ね1万円から5万円程度、価格に幅があります。

葬儀業者や供養業者へ依頼

次に、葬儀業者に依頼する方法です。葬儀を担当した業者であれば、遺影の処分まで対応している場合が多いですが、葬儀終了後からある程度の期間が経過すると、対応が難しくなることもあります。遺影の処分が単独で依頼できるケースは少なく、葬儀の料金に含まれているか、オプション料金として別途発生することが一般的です。

費用の詳細は業者ごとに異なるので、事前に確認することが大切です。

また、供養業者に依頼するという選択肢もあります。郵送で受け渡しが可能な場合、スムーズに進められる点が魅力です。多くの供養業者では、複数の方の遺影を合同で供養する形が一般的で、宗派や具体的な供養方法については指定できないことが多いですが、処分費用は遺影のみであれば概ね2,000円程度と比較的リーズナブルな場合が多いです。なお、遺影以外の遺品と一緒に処分するケースも見受けられます。

遺品整理業者へ依頼

遺影だけでなく、仏壇など他の遺品もまとめて整理・処分したい場合には、遺品整理業者に依頼する方法があります。専門の業者は、遺品整理に関するすべての作業を一括して請け負ってくれるため、故人を偲ぶご遺族の負担を大幅に軽減することができます。

しかしながら、一部には悪徳な業者も存在するため、信頼できる業者の選定が非常に重要となります。実際、業者選びにあたっては、口コミや実績、見積もり内容などをしっかりと確認することが大切です。

費用

間取り 料金相場
1R・1K 30,000円~80,000円
1DK 50,000円~120,000円
1LDK 70,000円~200,000円
2DK 90,000円~250,000円
2LDK 120,000円~300,000円
3DK 150,000円~400,000円
3LDK 170,000円~500,000円
4LDK以上 220,000円~600,000円

ただし、ゴミ屋敷のような状態であったり、特殊清掃が必要な場合には、料金が変動することもございますので、予めご注意ください。

基本的に、遺品整理業者の料金は部屋の大きさに比例して決まるため、1Rや1Kなどの小規模な間取りでは、1人から2人のスタッフが約2~3時間で作業を完了するのが一般的です。お部屋の広さや作業内容に応じた見積もりを業者に依頼し、納得のいくプランで進めることが、遺品整理をスムーズに行うためのポイントとなります。

自分で処分する場合

最後に、遺影を自分自身で処分する方法もございます。自治体の定める可燃ごみや不燃ごみとして処分する場合、基本的には費用はかかりません。とはいえ、故人の写真や肖像が印刷された紙製品ですので、気持ちが引っ掛かる場合には、白い布や紙で包んだり、塩を振るなどして慎重に扱うと良いでしょう。また、額縁も一緒に処分する場合は、自治体のルールに沿って分別する必要がありますので、事前に確認することをおすすめします。

 

遺影の供養は必要?

遺影に開眼供養が施されている場合は、処分前に閉眼供養を行う必要があります。閉眼供養とは、遺影に込められた魂を丁寧に祓う儀式で、僧侶を自宅に呼び読経を行う方法が一般的です。閉眼供養を済ませることで、遺影とともに故人への敬意を保ったまま処分を進めることができます。

供養の流れとして、

1.お寺への連絡

2.閉眼供養を依頼

3.お焚き上げ

4.最後に供養証明書を受け取る

以上の手順になります。各家庭の事情や信仰に応じた方法を選びながら、故人への感謝と敬意を大切にして処分を進めることが望ましいでしょう。

 

遺影の処分が難しい場合

遺影を処分することに対して気持ちが整理できず、なかなか手放せないという場合には、いくつかの方法を試してみると良いでしょう。

以下の方法を実践することで、心の負担を軽減し、新たな気持ちに切り替えられるかもしれません。

遺影をデータとして保存

まず、遺影をデータとして保存する方法があります。スマートフォンやパソコンに取り込むことで、物理的なスペースを必要とせずに、いつでも故人の姿を振り返ることができます。写真店や葬儀社、さらにはネット上の専用サービスを利用してデータ化を依頼することも可能です。データとして保存しておけば、後に必要となった際に、再びプリントアウトして飾るなどの対応もできます

遺影の写真を縮小して保存

次に、遺影の写真を縮小して保存するという方法も有効です。通常のサイズのままでは場所を取ってしまうため、縮小することでコンパクトに保管でき、目につく場所に飾ることも容易になります。こちらも写真店での依頼や、専門のサービスを利用することができ、迅速に仕上げてもらえる場合もあります。

アルバムで保存する

さらに、アルバムに保存する方法もおすすめです。フレームに入れて飾っていると、どうしても場所を占めてしまいますが、アルバムにまとめることで、すっきりと収納することが可能です。必要なときにはアルバムを開いて故人を偲ぶことができ、日常の生活空間からは物理的な存在を取り除くことができます。

また、縮小した遺影をアルバムに収めると、よりコンパクトに保管することができるでしょう。

 

まとめ

遺影は、四十九日の法要が終わった後に処分しても、故人への敬意が損なわれることはなく、むしろ自然な流れとして受け入れられています。

近年では、大きなサイズの遺影が一般的な数年前と違い、処分後によりコンパクトな写真に切り替える、またはデジタルデータとして保存する方法が広がり、故人をいつでも手軽に偲ぶことができるようになっています。

さらに、現代のライフスタイルに合わせ、保管場所の確保や心の整理を考慮した上で、処分と保存のバランスを取る工夫が進められています。

本記事でご紹介した各種の処分方法や保存方法の工夫を参考にして、ご自身やご家族の気持ちに寄り添いながら、今後の遺影の取り扱いについて慎重に検討し、故人への思いを大切にしつつ、心の負担を軽減する方法を選んでください。