遺品整理はいつからすればよいのか?賃貸契約や相続税の期限に注意

遺品整理はいつからすればよいのか?賃貸契約や相続税の期限に注意

悲しみが癒えないうちに遺品整理について考えることはとてもつらいことですが、いつから行うのか、いつまでに行う必要があるのかを考えることはとても重要です。ここでは、遺品整理を行うのに適したタイミングや、期限がある場合について詳しく解説します。

遺品整理を行うのは四十九日以降?

遺品整理を行うのは四十九日以降?

一般的に遺品整理をいつから行うのかは、以下の4つのタイミングが好ましいとされています。

  • 四十九日後
  • 死亡届や年金の届出など、諸手続きが完了した後
  • 葬儀後すぐ
  • 相続税の申告期限前

ですが親族が一堂に集まるタイミングであれば、百日法要の後でも一周忌の後でも問題はありません。気持ちが落ち着いてから、ゆっくり行いたいという人もいるでしょう。

遺品整理を行うタイミングは、特に正解があるものではないのです。

ただし、いつから行うのか考えることはとても重要です。

なぜなら、物によっては対処の期限が決められている場合があるからです。

次項で詳しく説明しますが、「時間をかけて整理したい」という場合でも、法的な手続きが必要なものや相続税がかかるものなど、期限があるものは先に対処することを考える必要があります。

遺品整理の時期に期限があるケース

遺品整理の時期に期限があるケース

賃貸物件の場合

故人が1人で賃貸物件に住んでいた場合、遺品整理をいつから行うのかは賃貸借契約書に基づいて考える必要があります。

まずは賃貸借契約書を探し、入居者が亡くなった場合の退去日を確認しましょう。

もちろん家族と一緒に住んでいた場合には、家賃を払い続ける限りそこに住むことができるため、「物件を明け渡すための期限」はありません。

一般的に、賃貸物件の退去期限は以下の期間が目安となっています。

公営住宅の場合
市営住宅、県営住宅、公務員住宅などが公営住宅にあたります。多くの場合、「3か月」とされていますが、「死後14日以内」の退去を求められるケースもかなりあるので、遺品整理を急ぐ必要があります。
民間の賃貸住宅の場合
こちらは多くの場合、「6か月」と言われています。大家さんは退去してもらいたい日の6か月前までにその旨を伝える必要があるからです。
ただし、入居者が死去したことによって賃貸借契約が白紙になったと考える場合、「死後14日以内」の退去を求められることもあるので注意が必要です。

数か月の猶予がある、と感じるかもしれませんが、死亡届や保険・年金などの手続き、光熱費などの契約停止など、気持ちが落ち着く間もなくやるべきことはたくさんあります。

賃貸物件の場合、「あまり時間がない」と認識していたほうが良いですね。

またゴミ屋敷や特殊清掃が必要な場合は上記とは異なり、数日での対応が必要となります。

相続税の申告が必要な場合

相続税の申告は、「相続の発生から10か月以内」と期限が決まっているため、遺品整理はそれまでに行わなければなりません。

昔は“相続税は大金持ちの払うもの”という印象でしたが、2015年の税制改正により基礎控除額が引き下げられたため、念頭に置いておく必要があります。

「大きな家じゃないし、特にお金がある話も聞いていないから大丈夫」と思っていても、生命保険金や死亡退職金といった「見えにくい資産」があるケースもあります。また名義預金が後々税務署の調査でわかり、延滞税や過少申告加算税の対象となってしまうことも。

遺品整理をしないと最終的な財産の全貌がわからないという場合はしばしばあります。

相続税を払う必要があるのかどうかを確認するためにも、遺品整理は期限内に間に合うように、余裕をもって行いましょう。

ちなみに、もしも期限内に申告しなかった場合、無申告加算税という追徴課税が加算されますし、「悪質な税逃れ」と判断された場合には「1年以内の懲役または50万円以内の罰金」という罰則規定があるため、注意しましょう。

気持ちが落ち着いたら、早めに取り組もう

気持ちが落ち着いたら、早めに取り組もう

上記のような期限が定められているもの以外、基本的には遺品整理は「気持ちが落ち着いてから」で大丈夫です。

ですが、なるべく早めに、できれば四十九日よりも前に開始したほうが良いでしょう。

なぜなら、故人が契約していたサービスが延長になることで、思わぬ出費が発生してしまうことがあるからです。

多くの場合、こちらが申請しない限りサービスは継続しています。仮に高額な年会費がかかるようなサービスだった場合、その支払いが必要となってしまいます。

これらは遺品整理を行わないと把握することが難しいですね。また「契約者が亡くなってしまった」と伝えても、必ず契約がキャンセルできるとは限りません。

もしも精神的に余裕がない場合は、遺品整理業者に依頼することもおすすめです。